同時通訳とは:仕組み、費用、そしてAIが担える場面
同時通訳とは、話者がまだ話している間に届けられる通訳です。 聞き手は自分の言語で、数秒以内の遅れで発言を聞くことができ、会議が通訳者を待って止まることはありません。国連が会期を運営する方法であり、多言語の国際会議が議題を言語ごとに分けず一本にまとめられる理由でもあります。AIが加わってからは、日常の業務会議でもこの方式がますます使われるようになっています。
このガイドでは、同時通訳の全体像をわかりやすく説明します。従来の方式の仕組みと費用、逐次通訳との違い、「リモート同時通訳」(RSI)が何を変えたのか、AIにできること・まだできないこと、そして普段お使いのツールに同時通訳を取り入れる方法を取り上げます。
ベンダーを比較したい方は、まず会議・カンファレンス向けAI翻訳ツールの選び方ガイドをご覧ください。
同時通訳では実際に何が行われているのか
プロの同時通訳は、言語に関わる仕事の中でも特に認知的な負荷が高い職業の一つです。通訳者は原語を聞き、単語ではなく意味をその場で変換し、訳語を話します。これを話者が話し続けている間、同時に、途切れなく行います。
業界はこの難しさに対応するため、本格的な体制を整えてきました。
- 通訳者は2人1組で働き、1人が担当し、もう1人が支えます。約30分ごとに交代します。同時通訳を続けると、それ以上は急速に質が落ちるためです。
- 防音ブース(または通訳コンソール)が通訳者を周囲から隔離します。会場の音声は通訳者のヘッドホンに届き、その訳出が聞き手の受信機に送られます。
- 言語ごとに1ブース・1組が必要です。3言語のイベントなら、ブースが3つ、通訳者が6人になります。
- 手配には数日から数週間かかり、まれな言語の組み合わせではさらに長くなります。料金は通訳者1人・1言語・1日ごとに加算され、機材費が別途かかります。
これは欠点ではありません。プロ品質のライブ通訳を提供するために必要な費用です。その結果、同時通訳はイベント当日のサービスになりました。予算を組み、日程を決めて、それに見合うセッションのために確保するものです。