あなた自身の声で話す — 話せない言語でも
リアルタイム翻訳には、ほとんどの人が見落としていて、ほとんど語られることのない部分があります。耳に届く声です。
音声認識も翻訳も申し分なくても、ミーティングが機械による棒読みのリストのように感じられることはあります。翻訳されたテキストを音に戻す最後のステップで、多くのツールが、話者であるあなたを、汎用の合成ナレーター1人にそっと置き換えてしまうからです。部屋に8人いても、全員が同じロボットの声になります。誰が話しているのか、強調の置き方、その人らしさが失われます。聞き取れはしますが、会話にはなりません。
InterMINDは、この最後のステップを違う形で行います。あなたが話すと、ほかの参加者には、あなたの声質と話し方をそなえたあなたとわかる声で翻訳が届きます。同じ声が、相手の言語でその言葉を話すのです。完璧なものまねというわけではありません。大切なのは、ありきたりのナレーターではなくあなたの声であることで、その精度は日々向上しています。これはすべての参加者に対して、双方向に、同時に働きます。
この記事は、InterMINDを支える4つの翻訳パイプラインの内側の欠けていた章にあたります。あちらでは、音声が翻訳された音声になるまでの仕組みを説明しました。こちらでは、その先から出てくるのが誰の声なのかを扱います。
どこも採用している標準仕様と、それが平板な理由
大手のミーティングプラットフォームでライブ翻訳を使ったことがあれば、あの音をご存じでしょう。抑揚の少ない、一定のペースの声が翻訳を読み上げます。話しているのが町内会ならぬ全社集会を開くCEOでも、冗談を飛ばす同僚でも、同じ声です。裏にある技術は、固定された1つの音声モデルによるテキスト読み上げ(TTS)で、「聞き取れれば十分」という設計思想に立っています。
実際のミーティングでは、それでは足りません。ミーティングで伝わる情報の半分は、誰が、どのように話しているかです。声を取り除けば、議論は、たまたま声に出して読まれている議事録になってしまいます。人は互いに反応しなくなり、自分の順番を待つだけになります。