企業向けGDPR準拠メッセンジャー(2026年版):ベンダーが実際に公開している情報

「GDPR準拠」は認証ではなく、管理者であるあなたの側に課される義務の集合です。本ガイドでは、DPO(データ保護責任者)がいずれにせよ確認する6つのチェック項目(データ処理契約、サーバーの所在地、暗号化、メタデータ、削除、サブプロセッサー)を、WhatsApp、Signal、Telegram、Threema Work、Teamwire、Wire、Stackfield、Element、Mattermost、Rocket.Chat、Microsoft Teams、Slack、そしてInterMINDの12のメッセージングサービスに当てはめて検証します。掲載するのは文書化された事実のみで、出典と確認日を併記しています。

The Mind.com Team

  • GDPRに準拠したメッセンジャーは、それ単体では存在しません。 義務を負うのは管理者であるあなたです。ベンダーにできるのは、その義務を果たせる状態にすることまでです。
  • DPOが必ず確認する項目に、言語を加えました。 DPA、所在地、暗号化、メタデータ、削除、サブプロセッサーを確認します。WhatsApp、Signal、TelegramはDPAを文書化しておらず、スイス製とドイツ製のサービスには翻訳機能がありません。
  • InterMINDは、スペース全体を各メンバーの言語のまま保ちます。 顧客ごとのDPA、すべてのホップでのEU内ランタイム、公開されたサブプロセッサーを備えています。また、エンドツーエンド暗号化には対応していないことも明記しています。ゲストはアカウント不要でリンクから無料で参加でき、料金はアクティブなメンバー分のみです。
企業向けGDPR準拠メッセンジャー(2026年版):ベンダーが実際に公開している情報

企業向けGDPR準拠メッセンジャー(2026年版):各ベンダーが実際に文書化していること

「どのメッセンジャーがGDPRに準拠していますか?」という問いに、「当社は準拠しています」と誠実に答えられるベンダーはありません。GDPRは管理者であるあなたに義務を課しています。データ処理契約(第28条)の締結、データの所在地と第三国への移転の有無の把握、削除とアクセス請求への対応が必要です。メッセンジャーは、これらの義務を果たせる状態にすることはできますが、果たせない場合もあります。ホームページのバッジが示せるのは、せいぜいその程度のことです。

そこで本ガイドは、よくある一覧記事とは違うアプローチをとります。データ保護責任者(DPO)が必ず確認する6つの項目を、12のサービスに当てはめます。対象は、企業で実際に使われているコンシューマー向けメッセンジャー(WhatsApp、Signal、Telegram)、スイスとドイツのビジネス向けメッセンジャー(Threema Work、Teamwire、Wire、Stackfield)、セルフホスト型プラットフォーム(Element、Mattermost、Rocket.Chat)、そして2つのバンドル製品(Microsoft Teams、Slack)です。続いて、私たちが開発するInterMINDも、同じ基準と同じ出典ルールで評価します。すべての記述はベンダーの公開ドキュメントに基づいており、2026年8月に確認したものを末尾にリンクしています。

7つ目のチェックも加えます。GDPRの一覧には出てきませんが、国際的なチームでは毎日影響する項目です。各メンバーは、どの言語でチャンネルを読むのか? メッセージを原文のままでしか保存しないメッセンジャーは、翻訳を個々人に押し付けます。そのうえ、データを再び処理する別のサービスにも頼ることになります。


6つのチェック項目

ドイツ連邦データ保護・情報自由監察官(BfDI)は、メッセンジャーサービスの選定基準を公開しています。これは、公的に参照できる最も使いやすい物差しです。この基準は、エンドツーエンド暗号化を、メッセージが「送信者の端末で暗号化され、受信者の端末でのみ復号される」ものと定義しています。また、アドレス帳へのアクセス、プロフィールの公開範囲、既読通知、利用状況の分析、エラーレポートといったプライバシー設定を挙げ、アカウント削除ではデータが「直ちに削除される」ことを求めています。企業で利用する場合は、これに第28条の義務が加わります。合わせると、次の6項目になります。

  1. データ処理契約(DPA)。 ベンダーはDPAを提供していますか。また、それはドキュメントに記載されていますか。
  2. 事業体とサーバーの所在地。 契約相手はどの会社で、データはどこにあり、第三国への移転はありますか。
  3. 暗号化。 エンドツーエンドですか、それとも通信経路とサーバー側ですか。どちらも正当な方式ですが、明示されている必要があります。
  4. メタデータとアドレス帳。 アドレス帳はアップロードされますか。どの利用データとデバイスデータが収集され、誰と共有されますか。
  5. 削除と保持。 履歴はどこに保存され、誰が削除し、従業員が退職したときはどうなりますか。
  6. サブプロセッサー。 AI機能や翻訳に使われるサービスを含め、公開されていますか。

加えて7つ目が、メンバーごとの言語です。


職場で使われるコンシューマー向けメッセンジャー

WhatsApp(およびWhatsApp Businessアプリ)

  • 契約相手: EEAについては「WhatsApp Ireland Limited」です。
  • 暗号化と保存: メッセージはエンドツーエンドで暗号化されます。「当社は、お客様にサービスを提供する通常の過程でメッセージを保持しません。メッセージが配信されると、当社のサーバーから削除されます。」したがって、履歴は従業員のデバイスとそのバックアップに残ります。
  • メタデータ: 収集されるのは「サービスの利用に関する情報」、デバイスデータ(「ハードウェアモデル、オペレーティングシステム情報、バッテリー残量、電波強度」)、そして任意でアドレス帳(「お客様のデバイスのアドレス帳からの定期的な連絡先アップロード」)です。データは「米国およびアイルランドのMeta各社」と共有され、「グローバルに」移転されます。
  • DPA: アプリのプライバシーポリシーには、企業向けのデータ処理契約への言及がありません(2026年8月確認)。Businessアプリは「小規模事業者を念頭に置いて作られて」います。
  • 言語: 2025年9月以降、メッセージを長押しして翻訳できます。翻訳は端末上で行われ(「翻訳は、WhatsAppが見ることのできないお客様のデバイス上で行われます」)、Androidではチャット全体の自動翻訳(提供開始時は6言語)に対応しています。iPhoneではAppleの翻訳機能を19言語以上で利用できます。音声メッセージと通話は、発表の対象に含まれていません。

Signal

  • 契約相手: Signal Messenger LLC(カリフォルニア州マウンテンビュー)で、非営利団体です。
  • 暗号化: 「Signalは、お客様のメッセージや通話の内容を復号することも、その他の方法でアクセスすることもできません。」
  • メタデータ: 登録には電話番号を使います。技術データは「サービスの運営に必要な最小限」にとどまります。
  • DPA: Signalの法的文書には記載がありません(2026年8月確認)。
  • 言語: 翻訳機能は文書化されていません。

Telegram

  • 契約相手と所在地: 「Telegram Messenger Inc.」と、「ドバイに所在するグループ会社Telegram FZ-LLC」です。EU/EEAのユーザーについては「データはオランダのデータセンターに保存」されます。GDPR代理人は、ブリュッセルの欧州データ保護事務所(EDPO)です。
  • 暗号化: クラウドチャットはサーバー側で暗号化されます。「すべてのデータは強力に暗号化されて保存され、暗号鍵は、それぞれ異なる管轄にある複数の別のデータセンターに保管」されます。エンドツーエンドなのはシークレットチャットだけです(「シークレットチャットはエンドツーエンド暗号化を使用します。」)。
  • DPA: プライバシーポリシーには記載がありません(2026年8月確認)。
  • 言語: 「すべてのユーザーが個別のメッセージを翻訳できます」。Premiumユーザーは「画面上部の翻訳バーをタップして、チャット、グループ、チャンネル全体をリアルタイムで翻訳できます」。

3つとも、チームが実際に仕事で使っているツールです。共通点は、履歴が会社ではなくデバイスまたはベンダーのクラウドに属していること、そして第28条が求めるDPAが3つのドキュメントのどこにも見当たらないことです。

スイスとドイツのビジネス向けメッセンジャー

Threema Work

  • 所在地: スイスです。ベンダーによれば、EUからスイスへのデータ移転は、追加の審査なしに法的に許容されています。
  • メタデータ: Threema Workは「個人データ(電話番号やメールアドレスなど)を必要とせず」、「アドレス帳へのアクセスなしで利用できます」。
  • DPA: ベンダーによれば、Threema Workは「GDPRおよびスイスDSGに基づく、管理者に代わるデータ保護法準拠の処理の要件を満たして」います。
  • トライアル: 「30日間、30ユーザー。自動更新なし。」ユーザーあたりの料金はページに記載がありません。
  • 言語: 翻訳機能は文書化されていません。

Teamwire

  • 所在地: 「ドイツのパブリッククラウド(IONOS、C5認証取得)」、「専用プライベートクラウド」、または「完全なオンプレミスホスティング」です。また、「米国ではなくドイツでのホスティング」、「EU域外への保存なし」とされています。
  • 認証: 「ISO 27001、BSI C5、TÜV認証取得」とあり、EU GDPR、BDSG、BSI IT-Grundschutz、NIS-2、DORA、CERも挙げられています。
  • メタデータ: 「アドレス帳へのアクセスなし」、「コミュニケーションの分析なし」です。
  • GDPR: ベンダーは自らを「100%GDPR準拠」としています。これは自己申告であり、DPAが個別のケースで裏付ける必要があります。ページに料金の記載はありません。
  • 言語: 翻訳機能は文書化されていません。

Wire

  • 所在地: 「クラウド、オンプレミス、またはハイブリッド」です。
  • 暗号化: MLSプロトコルを採用しています。「メッセージ、ファイル、通話は、デフォルトで完全にE2EE」で、ビデオ通話は「最大200人の参加者」まで対応し、すべてのセッションがエンドツーエンドで暗号化されます。
  • 認証: ISO 27001、ISO 27701、FedRAMP、FIPS 140-2です。
  • GDPR: 「GDPRを含む厳格なデータ保護規制に完全に準拠」(自己申告)とされています。ページにユーザーあたりの料金の記載はありません。
  • 言語: 翻訳機能は文書化されていません。

Stackfield

  • 所在地: 「すべてのデータ処理はEU内に限定され、データ自体はドイツのデータセンターにのみ保存」されます。会社は「ドイツおよびEUの管轄のみ」に服しています。
  • 暗号化: メッセージ、ファイル、タスクについて「真のエンドツーエンド暗号化」を採用しています。
  • 認証: ISO 27001、BSI C5です。
  • ミーティング: 音声・ビデオ会議が含まれます。
  • 言語: 翻訳機能は文書化されていません。

この4つは、所在地と暗号化の問いに、ベンダーとしてできる限り明確に答えています。どれも文書化していないのは、ポーランド人、ポルトガル人、ドイツ人の同僚が同じチャンネルをそれぞれの言語で読める翻訳です。

セルフホスト型プラットフォーム

Element(Matrix)

  • 暗号化: 「プラットフォーム全体がデフォルトでエンドツーエンド暗号化」されており、音声・ビデオ用のElement Callも含まれます。
  • 運用形態: Communityは無料でセルフホスト型、Enterpriseはシート単位の月額課金でセルフホスト型、Sovereignはデプロイ単位の課金でエアギャップ環境向けです。
  • 言語: 翻訳機能は文書化されていません。エンドツーエンド暗号化のもとでは、サーバー側に翻訳を置ける場所がないためです。

Mattermost

  • 運用形態: ProfessionalとEnterpriseはセルフホスト型の年間ライセンスで、価格は問い合わせ制です。Mattermost Cloud Enterpriseはシングルテナントの提供形態です。
  • 言語: Enterprise Advancedでチャンネルの自動翻訳(ベータ、v11.5以降)を利用できます。バックエンドは「LibreTranslate:セルフホスト型のオープンソース機械翻訳エンジン」、または「Agents:設定済みのLLMバックエンドを持つMattermost Agentsプラグインを使用」のいずれかです。ユーザーの翻訳先言語は「そのユーザーのMattermost表示言語によって決まります」。翻訳はお客様のサーバー上で実行されます。

Rocket.Chat

  • 運用形態: Starterプランは無料で、「セルフマネージド、セルフホスト型」、「技術評価または最大50ユーザーの小規模チーム向け」です。有料プランはCommercial、Government、Defenseで、オンプレミス、プライベートクラウド、エアギャップ環境に対応し、価格は問い合わせ制です。
  • 言語: ルームごとの自動翻訳(Auto-Translate)があり、「各ユーザーは、自分が選択した言語に基づいて翻訳を受け取ります」。DeepL、Google Translate、Microsoft Translator、LibreTranslateのいずれかを、管理者が用意するAPIキーで利用します。そのため、LibreTranslateを自社ホストで動かす場合を除き、メッセージの本文は選んだプロバイダーに送られます。

Nextcloud Talkも同じグループに入ります。「完全にセルフホスト型でオンプレミスの音声・ビデオおよびチャット通信サービス」で、ライブ文字起こしと翻訳を自社のハードウェア上で実行できます(詳細はチームコミュニケーションツールの比較をご覧ください)。

バンドル製品:Microsoft TeamsとSlack

Microsoft Teams

  • DPA: 「Product Termsサイトの条件に基づいて製品をサブスクライブする場合、データ処理およびセキュリティの条件は、Microsoft Online Services Data Protection Addendum(DPA)で定義されます。」
  • 所在地: Teamsのデータは「お客様のMicrosoft 365またはOffice 365組織に関連付けられた地理的リージョン」に保存されます。国単位のデータ保存(ドイツ、フランス、イタリア、ノルウェー、ポーランド、スウェーデン、スイスなど)は「新規テナントのみ」が対象で、既存のEUテナントはEMEAリージョンにとどまります。EU Data Boundaryにより、MicrosoftはMicrosoft 365の顧客データをEU/EFTA内で保存・処理することを約束していますが、「限られた状況」では例外があり、その内容も文書化されています。Multi-Geoを利用している顧客は対象外です。
  • 言語: チャットとチャンネルのメッセージは、リクエストに応じて、または自動で翻訳されます(「Teamsは受信したメッセージを自動的に翻訳できます」)。100以上の言語に対応し、必要なライセンスは明示されていません。ミーティングでは、翻訳字幕に主催者のTeams PremiumまたはCopilotライセンスが必要です。Interpreterエージェント(10言語)には聞き手ごとにCopilotライセンスが必要で、利用は月20時間までです。詳細はTeamsのライブ翻訳をご覧ください。

Slack

  • DPA: 「Slackは、カスタマー利用規約を補足するデータ処理補遺を提供しています」。ただし、自動的に組み込まれるのではなく、フォームを通じて締結します。
  • 所在地: データレジデンシーは**Business+**以上で利用でき、フランクフルト、パリ、ストックホルム、チューリッヒ、ロンドンが選べます。対象は、メッセージ、キャンバス、ファイル、検索インデックスです。メンバープロフィールと利用状況の分析は対象外です。Freeプランでは、メッセージ履歴が90日間保持されます。
  • 言語: 「メッセージを翻訳」は**Business+とEnterprise+**で利用でき、メッセージごとにリクエストして使います。「翻訳はご自身にしか表示されないため、他の人には常に元のメッセージが表示されます。」

InterMIND

私たちが開発しているのは、すべてのメンバーがミーティング、チャット、ドキュメント、そしてその履歴を自分の言語で読める、コミュニケーションのスペースです。同じ7つのチェックに照らして、InterMINDも評価します。

  1. DPA: 顧客ごとに締結します。第28条の処理者条項に基づき、新しいサブプロセッサーは30日前に通知し、侵害の通知は72時間以内に行います。調達部門向けに署名済みの写しも用意しています(/legal/dpa)。
  2. 事業体と所在地: エストニアのOÜが運営しています。ランタイムはすべてのホップでEU内にあります。音声とチャットの翻訳はフランスの専用サーバー上の自社エンジンで、ミーティングのオーケストレーションはパリで、データベースはフランクフルトで動き、ストレージと分析もEU内にあります。ベンダーごとのマップはInterMINDのミーティング1回が実際にどこで動いているかをご覧ください。
  3. 暗号化: 通信経路の暗号化を採用しています。音声とビデオはDTLS/SRTP、チャットとファイルはHTTPS/WSSで、当社サーバー上では保存時も暗号化されます。エンドツーエンド暗号化には対応していません。 翻訳は処理であり、第三者ではなく当社のエンジン上で行われるためです。E2EEを何よりも優先する場合は、Element、Wire、Threemaのほうが適しています。これは私たちが自ら明言しています。
  4. メタデータとアドレス帳: アドレス帳はアップロードしません。参加者はリンクから、アカウントも電話番号も不要で参加します。
  5. 削除と保持: 保持の基準はプライバシーポリシーに明記しています。データは、あなたまたはチームオーナーが削除するまで保持され、アカウントを削除すればそのデータも削除されます。自社のコードをGDPRの義務に照らして監査し、対応した内容を文書化しています(GDPR監査)。
  6. サブプロセッサー: 機能と所在地をベンダーごとに記載して公開しています。言語モデルを使うステップ(リキャップ、ドキュメント要約、ライティングアシスタント、Ask AI)は、組織が選択したAIゲートウェイ上で実行されます。デフォルトはEU Data ZoneのAzure OpenAIで、選択によりVertex AI EUまたはAmazon Bedrock Frankfurtも利用できます。いずれもInterMIND専用のテナントで、データは保持せず(ゼロデータ保持)、顧客コンテンツを学習に使うこともありません。これらのベンダーは、EUリージョンを運用する米国企業であり、この点はトラストページに明記しています。ドキュメント翻訳は、EUのサブプロセッサーとして明示しているDeepLを経由して行われます。
  7. メンバーごとの言語: チャットとノートは23言語、ドキュメントは30言語に対応し、ライブ音声は全参加者がそれぞれの言語で聞けます。これはルームの標準の動作であり、アドオンも聞き手ごとのライセンスも不要です。品質は言語ペアごとに毎月公開しています(/benchmark)。

私たちが主張しないのは、まだ取得していないISO認証です。チェックリストへの私たちの答えはアーキテクチャによるもので、コードで検証できます。認証はロードマップに載せています。


比較一覧

サービス契約相手/所在地暗号化DPAの文書化アドレス帳/メタデータメンバーごとの言語
WhatsAppWhatsApp Ireland、ユーザーのデバイス、米国およびアイルランドのMeta各社と共有エンドツーエンド記載なし任意のアドレス帳アップロード、利用データとデバイスデータリクエストに応じた端末上での翻訳、Androidはチャットごとの自動翻訳
SignalSignal Messenger LLC(カリフォルニア)エンドツーエンド記載なし電話番号、メタデータは「必要最小限」記載なし
TelegramTelegram Messenger Inc./FZ-LLC(ドバイ)、EUのデータはオランダクラウドチャットはサーバー側、シークレットチャットはエンドツーエンド記載なし—個別のメッセージ、チャット全体はPremium
Threema Workスイスエンドツーエンドベンダー:GDPR/DSGに準拠した処理電話番号不要、アドレス帳へのアクセス不要記載なし
Teamwireドイツ(IONOS C5)/プライベートクラウド/オンプレミス「完全に暗号化」自己申告「100%GDPR準拠」アドレス帳へのアクセスなし記載なし
Wireクラウド/オンプレミス/ハイブリッドエンドツーエンド(MLS)、通話を含む自己申告でGDPR準拠—記載なし
Stackfieldドイツのデータセンター、ドイツ/EUの管轄エンドツーエンド——記載なし
Elementセルフホスト/エアギャップエンドツーエンド、通話を含むお客様自身の運用—記載なし
Mattermostセルフホスト、シングルテナントクラウドサーバー側、お客様の運用お客様自身の運用—チャンネルごとの自動翻訳(ベータ)、Enterprise Advanced、お客様のLibreTranslate/LLM
Rocket.Chatセルフホスト、Starterは50ユーザーまで無料サーバー側、お客様の運用お客様自身の運用—ルームごとの自動翻訳(DeepL/Google/Microsoft/LibreTranslate、お客様のキーを使用)
Microsoft Teamsテナントのリージョン、EU/EFTAのテナントにはEU Data Boundary通信経路+サーバー側あり — Product Terms経由のMicrosoft DPAテナントデータメッセージはリクエストまたは自動で100以上の言語、ミーティングの言語はCopilotライセンスに依存
SlackBusiness+からレジデンシー対応(フランクフルト、パリ、ストックホルム、チューリッヒ)通信経路+サーバー側あり — フォーム経由のDPAプロフィールと利用状況の分析はレジデンシーの対象外リクエストに応じて、自分にだけ表示、Business+から
InterMINDエストニアのOÜ、ランタイムはすべてのホップでEU内(フランス、パリ、フランクフルト)通信経路(DTLS/SRTP、HTTPS/WSS)+当社サーバー上で暗号化、E2EEなしあり — 顧客ごと、第28条アドレス帳のアップロードなし、アカウント不要で参加あり — すべてのメンバーが自分の言語でスペースを読み、聞ける、23言語

ケース別:どのメッセンジャーを選ぶか

  • エンドツーエンド暗号化が最優先で、翻訳は重要でない場合: Threema Work(スイス、電話番号不要)、Wire(MLS、通話を含む)、Stackfield(ドイツのデータセンター)、またはElement(セルフホスト、Communityエディションは無料)。
  • すべてを自社サーバーで動かす必要があり、担当できる人材もいる場合: Rocket.Chat(50ユーザーまで無料、翻訳はお客様のプロバイダーキー経由)、Mattermost Enterprise Advanced(お客様のLibreTranslateまたはLLMによるベータ版のチャンネル翻訳)、Nextcloud Talk。
  • すでにMicrosoftまたはSlackを利用している場合: どちらもDPAとEU内のデータ保存を文書化しています。Teamsはテナントのリージョンと EU Data Boundary、SlackはBusiness+以上です。翻訳は読み手ごとにリクエストして使い、Teamsのミーティングの言語はCopilotライセンスに左右されます。
  • チームがWhatsApp、Signal、Telegramで仕事をしている場合: これらはプライベートなコミュニケーション向けに文書化されたサービスで、一部はエンドツーエンドで暗号化されます。ただしDPAの記載はなく、履歴はデバイスまたはベンダーのクラウドにあり、WhatsAppでは利用データとデバイスデータが米国のMeta各社に送られます。DPOからは、ドキュメントでは答えられない質問が出るでしょう。
  • チャンネル自体が多言語の場合: 同僚や顧客が3つの言語で互いに返信し合い、ゲストはお客様のライセンスを持たず、コンプライアンス担当は所在地を明示したい。そうした場面のために私たちが作っているのがInterMINDです。すべてのメンバーがスペースを自分の言語で読み、ゲストはお客様のライセンスなしでリンクから参加します。すべてのホップでEU内、顧客ごとのDPA、公開されたサブプロセッサーは、DPOに伝えるべきポイントです。

読むより、見て確かめる

  • ライブデモを試す — 登録不要です。話しかけると、23言語のどれでも、聞き手ごとに翻訳されたルームの音声が聞こえます。
  • ベンチマークを見る — 実際のトラフィックに基づく言語ペアごとの翻訳品質を毎月公開しており、方法論も公開しています。
  • サブプロセッサーを確認する — ベンダーごとの機能と所在地を、問い合わせ不要で確認できます。

FAQ

GDPRに準拠しているメッセンジャーはどれですか?

単体で準拠しているものはありません。義務を負うのは会社です。確認できるのは、ベンダーがその義務を果たせる状態にしているかどうかです。DPAを文書化しているのは、Microsoft Teams(Product Terms経由)、Slack(フォーム経由)、Threema Work(ベンダー:GDPR/DSGに準拠した処理)、InterMIND(顧客ごと、第28条)です。TeamwireとWireは、自らGDPR準拠をうたっています。WhatsApp、Signal、Telegramは、ドキュメントにDPAの記載がありません(2026年8月確認)。セルフホスト型のサービス(Element、Mattermost、Rocket.Chat、Nextcloud)では、この問題はお客様自身の運用に移ります。

SignalはGDPRに準拠していますか?

Signalは、エンドツーエンド暗号化(「Signalは、お客様のメッセージや通話の内容を復号することも、その他の方法でアクセスすることもできません」)と、最小限に抑えた技術データを文書化しています。契約相手はカリフォルニアのSignal Messenger LLCで、登録には電話番号を使います。法的文書には、企業向けのデータ処理契約への言及がありません。個人利用と、第28条を満たす必要がある企業利用とでは、状況が異なります。

WhatsAppはビジネス利用でGDPRに準拠していますか?

WhatsApp Irelandは、エンドツーエンド暗号化と、配信済みメッセージがサーバーから削除されることを文書化しています。同時に、利用データとデバイスデータ、任意のアドレス帳アップロード、「米国およびアイルランドのMeta各社」との共有も文書化しています。プライバシーポリシーにはアプリ向けのDPAの記載がなく、Businessアプリはベンダーによれば小規模事業者向けに作られています。企業でWhatsAppを使う場合、これらの点はDPOに対して自分で説明できるようにしておく必要があります。

TelegramはGDPRに準拠していますか?

Telegramは、EUのデータはオランダに保存されると述べ、EU代理人(EDPO、ブリュッセル)を挙げています。クラウドチャットはサーバー側で暗号化され、鍵は「それぞれ異なる管轄にある複数の別のデータセンター」に保管されます。エンドツーエンドなのはシークレットチャットのみです。DPAは文書化されていません。これは、データの扱いが文書化されているということであり、第28条の意味でのGDPR準拠ではありません。

Microsoft TeamsはGDPRに準拠していますか?

Microsoftは、DPAがProduct Termsの一部であること、Teamsのデータがテナントのリージョンに保存されること(国単位の保存は新規テナントのみ)、そしてEU/EFTAに拠点を置くMicrosoft 365の顧客にはEU Data Boundaryが適用されること(例外は文書化済み)を明記しています。すでにTeamsを使っている企業にとっては堅実な基盤です。ただし、ミーティングでの翻訳機能は、主催者と聞き手ごとのCopilotライセンスに左右されます。

企業向けGDPR準拠メッセンジャーに求められる要件は何ですか?

バッジではなく、文書化された6つの答えです。第28条に基づくDPA、事業体とサーバーの所在地の明示と、説明のつかない第三国移転がないこと、暗号化方式の明示、アドレス帳とメタデータの管理、従業員の退職までを想定した削除の考え方、そしてAIや翻訳サービスを含むサブプロセッサー一覧の公開です。国際的なチームでは7つ目が加わります。チャンネルを原文のままでしか保存しないメッセンジャーは、翻訳をすべての個人に押し付けることになります。

企業向けの無料のGDPR準拠メッセンジャーはありますか?

無料でセルフホスト型なのは、Rocket.Chat Starter(最大50ユーザー)とElement Communityです。この場合、GDPRの義務はすべてお客様自身の運用にかかってきます。Threema Workは、支払い情報なしで30ユーザー・30日間のトライアルを提供しています。InterMINDでは、参加者は全員無料で、アカウント不要でリンクから参加でき、ライブデモも登録不要です。ルームの料金を負担するのはホストです。


出典:BfDI — メッセンジャーサービスの選定基準(ドイツ語)、WhatsApp — プライバシーポリシー(EEA)、WhatsApp — プライバシーポリシー、WhatsApp blog — メッセージ翻訳の紹介、WhatsApp Businessアプリ、Signal — 利用規約とプライバシーポリシー、Telegram — プライバシーポリシー、Telegram blog — リアルタイム翻訳、Threema — GDPR準拠のメッセンジャー(ドイツ語)、Teamwire — GDPR準拠のメッセンジャー(ドイツ語)、Wire — Wire vs. MS Teams(ドイツ語)、Stackfield — Microsoft Teamsの代替(ドイツ語)、Element — 料金、Mattermost — 料金、Mattermost — 自動翻訳(ベータ)の設定、Rocket.Chat — プラン、Rocket.Chat — メッセージの自動翻訳、Nextcloud Talk、Microsoft — Products and Services Data Protection Addendum、Microsoft Learn — Microsoft Teamsにおけるデータの所在地、Microsoft Learn — EU Data Boundaryとは、Microsoft — Microsoft Teamsでメッセージを翻訳する、Microsoft — Teamsのミーティングと通話におけるInterpreter、Slack — データ処理補遺、Slack — Slackのデータレジデンシー、Slack — 料金、Slack — SlackのAI機能ガイド。ベンダーはプラン、所在地、機能、自己申告の内容を随時変更します。最新の状況は各社のページでご確認ください。すべての情報は2026年8月に確認したものです。

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