トルコ語の音声翻訳:動詞は最後に来る。だから、必要なツールが変わる
「音声翻訳」を扱ったガイドの多くは英語を基準に書かれています。英語では動詞が2番目に来るので、システムは文が始まってすぐに訳し始められます。トルコ語はそうはいきません。"Yarın fabrikaya gideceğim" は「明日、工場に行きます」。"Yarın fabrikaya gitmeyeceğim" は「行きません」。"Yarın fabrikaya gidemeyeceğim" は「行けません」。最初の4語が同じでも、3つはまったく別のメッセージです。違いは、最後に聞こえる動詞の接尾辞にあります。
「トルコ語の音声翻訳はどれがいいか」が「音声翻訳はどれがいいか」とは別の問いになるのは、このためです。この記事では、トルコ語が翻訳パイプラインに何をもたらすのか、同じ名前で呼ばれる3種類の製品、そして単なる対応言語数とは違う本当の答えを導く唯一の測定について説明します。
トルコ語が翻訳パイプラインに与える影響
トルコ語では当たり前の性質が2つあり、どちらもストリーミング翻訳には厄介です。
- 主語―目的語―動詞(SOV)の語順。 述語が節を締めくくります。否定(-me-)、可能(-ebil-)、時制はすべて動詞に付きます。その動詞が現れるまで、節の意味は本当に確定しません。聞こえたそばから出力するシステムは、早めに確定させて正反対の意味を言ってしまうリスクを負うか、待つかのどちらかです。
- 膠着(agglutination)。 Görüşemeyeceğimizi は、「私たちが会うことができないだろうということ」を1語で表します。トークン単位で訳すパイプラインは、接尾辞の連なりが完結するまで、出力できる有用なものを持ちません。
どちらも特殊なものではありません。SOV言語の話者は何億人もいますし、トルコ語はその中でもとりわけ規則的な言語です。それでも、トルコ語における遅延と精度は、チェックボックスで決まるものではなく、アーキテクチャの結果として決まります。「100以上の言語に対応」がこの言語ペアについては中身のない主張になるのは、そのためです。言語数からは、システムが動詞を待つのかどうかも、その待ち時間が実際の会議でどれほど長く感じられるかも分かりません。
この主張を誠実に裏づけるのは、測定です。私たちは、実際の本番トラフィックにおける言語ペアごとの翻訳スコアを、方法論を明記したうえで毎月 /benchmark に公開しています。トルコ語のペアも含まれているので、アーキテクチャについて私たちの言葉を信じなくても、数字をそのまま読めます。